【2026年度】建設・プラントエンジニアリング9社徹底比較

「地図に残る仕事」のゼネコンと、「エネルギーの心臓部をつくる」プラントエンジニアリング。どちらも巨大な構造物を扱う仕事ですが、ビジネスモデルも、求められる学科も、働き方も大きく異なります。この記事では、スーパーゼネコン5社とプラント・設備エンジニアリング大手4社の計9社を、2026年3月期決算をもとに1つの表で比較します。

この記事の結論(先に3行)

  • 規模で選ぶならゼネコン、利益率と海外比率で選ぶならプラント系。売上高は鹿島建設が業界初の3兆円を突破した一方、営業利益率は千代田化工建設16.6%・高砂熱学工業11.3%がトップ層です。
  • 建設業界は「安値受注から採算重視」への転換で過去最高益が続出。2026年3月期は上場スーパーゼネコン4社の純利益が全社で過去最高を更新しました。
  • プラントエンジは業績の振れ幅が大きい。同じ2026年3月期でも、千代田化工建設は全利益項目で過去最高、東洋エンジニアリングは営業損失190億円と明暗が分かれました。企業選びでは「単年の数字」より「案件ポートフォリオ」を見ることが重要です。
目次

1. まず押さえる:建設業界とプラントエンジニアリング業界の構造

同じ「建設系」でくくられがちですが、就職先としては別業界と考えたほうが正確です。まずは全体像を整理します。

ゼネコン(総合建設会社)

ビル・道路・トンネル・ダムなど、建築物と土木構造物を発注者から一括で請け負う会社です。日本では鹿島建設・大林組・大成建設・清水建設・竹中工務店の5社が「スーパーゼネコン」と呼ばれ、売上高1兆円を超えます。実際の工事は専門工事会社(サブコン)に発注し、ゼネコンは全体の設計・施工管理・品質・安全・原価・工程をマネジメントする役割が中心です。

プラントエンジニアリング(EPC企業)

LNG基地・製油所・石油化学プラント・肥料プラント・医薬工場などを、E(設計)・P(調達)・C(建設)まで一貫で請け負う会社です。日揮ホールディングス・千代田化工建設・東洋エンジニアリングの3社は「エンジニアリング御三家」と呼ばれます。1件あたり数百億〜数千億円規模の案件を、数年がかりで海外中心に遂行するのが特徴です。

サブコン(設備工事会社)

空調・電気・給排水などの専門工事を担う会社群です。近年は半導体工場やデータセンターのクリーンルーム・冷却設備需要が爆発的に伸びており、空調設備最大手の高砂熱学工業のように、ゼネコンを上回る営業利益率をたたき出す企業も出ています。

就活での使い分け:「日本のインフラ・まちづくりに関わりたい」ならゼネコン、「海外で大型プロジェクトを動かしたい/エネルギー転換に関わりたい」ならプラントエンジ、「先端産業(半導体・データセンター)の裏側を支える技術で勝負したい」ならサブコン、という整理が出発点になります。

2. 建設・プラントエンジニアリング大手9社 徹底比較表

売上高・営業利益率・平均年収・主要勤務地・月残業時間・有休取得・主力事業を1つの表にまとめました。特筆すべき数値は色付き太字で示しています。

企業名 売上高 営業利益率 平均年収 主要勤務地 月残業時間 有休取得日数(取得率) 主力事業・特徴
■ 建設(スーパーゼネコン5社)
鹿島建設 3兆672億円 7.8% 1,245万円 東京/全国・海外 30.5時間
2024年度
12.8日(69.0%)
2023年度
「土木の鹿島」。超高層・原子力・ダム・海外開発に強い。海外関係会社の売上が1兆円規模で海外比率は業界最高水準
大林組 2兆5,862億円 7.5% 1,239万円 東京・大阪/海外 32.8時間
2025年3月期
—(52.9%)
2025年3月期
大阪発祥。再開発・鉄道・海外土木に強み。木造超高層やリニューアル、風力など新領域にも積極投資
大成建設 2兆890億円 9.0% 1,191万円 東京/全国・海外 約35時間
参考値
—(約60%)
参考値
創業家を持たない非同族経営。営業利益率9.0%はゼネコン5社中トップ。2025年に東洋建設を子会社化し海洋土木を強化
清水建設 2兆578億円 5.8% 1,043万円 東京/全国・海外 約30時間
参考値
—(約65%)
参考値
建築に強くZEB・環境技術で先行。投資開発・道路舗装・グリーンエネルギーなど非建設事業の比率が高い
竹中工務店 1兆1,543億円
2025年12月期
5.4% 1,153万円 大阪・東京/全国 22.1時間
2024年度・5社最短
—(約70%
参考値
唯一の非上場。建築専業で「設計施工」に強み。作品性の高い建築を志向し、建築学生からの人気が非常に高い
■ プラントエンジニアリング・設備(4社)
日揮ホールディングス 7,452億円 4.7% 975万円
持株会社単体
横浜/海外現場 35.5時間
口コミ参考値
—(52.0%)
口コミ参考値
LNGプラントで世界トップ級のEPC企業。水素・アンモニア・SAF・CCSなど脱炭素領域を強化。触媒などの機能材製造も柱
千代田化工建設 4,939億円 16.6% 1,038万円 横浜/海外現場 43.6時間
口コミ参考値
—(53.4%)
口コミ参考値
三菱商事系。LNG・水素の技術力に定評。米ゴールデンパスLNGの採算改善で全利益項目が過去最高
東洋エンジニアリング 1,829億円 ▲10.4% 957万円 千葉・習志野/海外 非公表 非公表 三井系。肥料・石油化学プラントに強み。ブラジル火力案件の採算悪化で営業損失190億円。次期は黒字転換を計画
高砂熱学工業 4,239億円 11.3% 1,129万円 東京/全国・アジア 約30時間
参考値
非公表 空調設備工事の最大手。半導体工場・データセンターのクリーンルーム/冷却需要を取り込み6期連続の増収増益
【数値の前提と出典について】
・売上高・営業利益率=各社2026年3月期連結実績(竹中工務店のみ2025年12月期)。千代田化工建設の売上高は完成工事高、東洋エンジニアリングの営業利益は190億円の損失です。営業利益率は「営業利益÷売上高」で当サイトが算出し、小数第2位を四捨五入しています。
・平均年収=有価証券報告書「従業員の状況」の提出会社(単体)の平均年間給与。鹿島・大林組・大成・清水は2026年3月期、竹中工務店は2025年12月期、千代田化工建設・東洋エンジニアリング・高砂熱学工業は2025年3月期の掲載値です(対象期が揃っていない点にご注意ください)。
・日揮ホールディングスの975万円は持株会社単体(従業員数が少数)の値で、事業会社である日揮グローバル・日揮の水準とは一致しません。
・月残業時間・有休取得は開示基準が各社で大きく異なります。「参考値」「口コミ参考値」と付記した数値は各社の統合報告書・採用ページ・社員クチコミサイトを編集部がまとめた目安であり、正確な数値は各社の最新開示でご確認ください。取得日数を開示していない企業は「—(取得率)」と表記しています。
・数値はいずれも執筆時点(2026年7月)のものです。

3. 比較表から読み取れる3つのポイント

ポイント1:ゼネコンは「採算重視」への転換で最高益ラッシュ

2026年3月期は、上場スーパーゼネコン4社の当期純利益が全社で過去最高を更新しました。資材費・労務費の高騰分を発注者に価格転嫁する交渉が進み、赤字覚悟の安値受注をしない姿勢が定着したためです。数年前、清水建設が上場以来初の営業赤字を計上した時期とは業界の空気が一変しています。

ただし2027年3月期は、前期の反動で減益予想の会社が多数派です。「今がピークかもしれない」という前提で、5年後・10年後の成長ドライバー(再開発、洋上風力、リニューアル、海外)を各社がどう描いているかを見ておきましょう。

ポイント2:プラントエンジは利益率の振れ幅が桁違い

千代田化工建設の営業利益率16.6%はゼネコンの2倍以上ですが、これは大型LNG案件の採算改善という一過性の要因が大きく、会社自身も翌期の純利益目標を大幅に引き下げています。逆に東洋エンジニアリングは、ブラジルの火力発電案件1件の悪化で営業損失190億円を計上しました。

EPCは「1件の巨大案件が全社業績を左右する」ビジネスです。志望動機で「安定性」を語ると業界理解を疑われかねません。むしろリスクを取って世界を相手にする面白さを語るべき業界です。

ポイント3:年収は建設業界全体でトップ水準、ただし平均値の読み方に注意

9社の平均年収はおおむね950万〜1,250万円で、国内企業でも上位に入ります。ただし有価証券報告書の平均年収は全社員(40代前半が中心)の平均であり、20代の実額とは別物です。スーパーゼネコンの初任給は2026年入社で大卒30万円・院卒32万円前後まで上昇していますが、30歳時点の水準はおおむね700万円台というのが実勢です。

4. 各社の特徴と「どんな人に向くか」

気になる企業名をタップすると、特徴と向いている人の解説が開きます。

建設(スーパーゼネコン5社)

鹿島建設|規模・海外・土木の三拍子

2026年3月期に建設業界で初めて売上高3兆円を突破し、建設事業受注高も3兆2,639億円と過去最高。海外関係会社の売上が1兆円規模に達しており、海外で稼ぐ力が最も強いゼネコンです。洋上風力の風車基礎工事や地下調節池など、社会インフラの最前線案件が並びます。土木系学生の第一志望になりやすい会社です。

大林組|再開発と技術投資のバランス型

売上高2兆5,862億円で業界2位。2027年3月期は売上高2兆9,450億円を計画しており、規模で鹿島に迫ります。BIM/CIMの活用や自動化施工、木造建築など技術開発への投資意欲が高く、研究開発職・技術開発志向の学生と相性が良い会社です。

大成建設|利益率トップ、非同族のフラットさ

売上高は減収ながら営業利益1,879億円と過去最高を更新し、営業利益率9.0%はゼネコン5社中トップ。稼ぎ頭の土木事業は営業利益955億円と好調です。創業家を持たない非同族経営で、実力主義的な社風が語られることが多い会社です。2025年に東洋建設を子会社化し、洋上風力を見据えた海洋土木を強化しました。

清水建設|建築・環境技術と非建設事業

ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)などの環境技術で先行し、投資開発・グリーンエネルギー・建物ライフサイクル事業など非建設領域の比率が高いのが特徴。2026年3月にあおみ建設を子会社化し、洋上風力分野を強化しています。2027年3月期は営業利益1,530億円(前期比+28.9%)と5社の中で最も高い増益率を計画しており、これから伸びる局面と言えます。

竹中工務店|非上場・建築専業・設計施工

唯一の非上場企業で、土木部門を持たない建築専業。設計と施工を一体で手がける「設計施工」を強みとし、作品性の高い建築で知られます。月平均残業22.1時間(2024年度)は5社の中で最も短い水準で、労務環境の改善が進んでいます。建築意匠・設計志望の学生にとっては最難関の一角です。

プラントエンジニアリング・設備(4社)

日揮ホールディングス|LNGの世界的プレーヤー

売上高7,452億円、2026年3月期は営業損益が353億円の黒字に転換しました。LNG・製油所・石油化学のEPCに加え、水素・アンモニア・SAF・CCSといった脱炭素領域に事業を広げています。触媒やファインセラミックスを製造する機能材事業も持ち、EPC一本足ではないのが強みです。本社は横浜みなとみらい。海外プロジェクトへの駐在機会が多く、化学工学・機械・電気系の学生に人気があります。

千代田化工建設|技術力で復活したLNGの雄

2026年3月期は完成工事高4,939億円・営業利益821億円で全利益項目が過去最高。数年前の債務超過からの再建を果たしました。LNGの液化技術や水素サプライチェーン(有機ハイドライド法)で高い技術評価を得ています。ただし2027年3月期の純利益目標は120億円と保守的で、業績の振れ幅の大きさは織り込んで志望する必要があります。

東洋エンジニアリング|肥料・石化に強い三井系

2026年3月期は売上高1,829億円、営業損失190億円と厳しい決算でした。ブラジル向けガス火力案件の採算悪化が主因です。一方で受注は堅調に推移しており(2026年3月期の連結受注高1,758億円)、不採算案件の一掃と案件選別の強化により、2027年3月期は売上高1,900億円・営業利益30億円と黒字転換を計画しています。肥料プラントや石油化学では世界的な実績を持ち、新興国のインフラ整備に関わりたい人には魅力的な選択肢です。

高砂熱学工業|半導体・データセンター特需の主役

空調設備工事の最大手。2026年3月期は売上高4,239億円・営業利益477億円で、営業利益率11.3%は設備工事業界で突出した水準です。半導体工場のクリーンルームやデータセンターの冷却という、AI時代に需要が伸び続ける領域を押さえています。「ゼネコンの下請け」というイメージで敬遠するのはもったいない会社で、機械・電気系学生には特に検討価値があります。

5. 2026年の業界トレンド5選(面接で語れる材料)

押さえておきたい5つの潮流

  • ①「安値受注」からの決別:建設費高騰を価格転嫁できる需給環境になり、採算重視の受注戦略が定着。工事粗利率の改善が最高益の源泉になっています。
  • ②2024年問題(時間外労働の上限規制):2024年4月から建設業にも上限規制が適用され、原則月45時間・年360時間、特別条項でも年720時間以内が上限に。4週8閉所や勤務間インターバルの導入が各社で進んでいます。
  • ③半導体・データセンター建設ラッシュ:先端工場やAIデータセンターの建設需要が、ゼネコン・サブコン双方の高採算案件を生んでいます。
  • ④エネルギー転換とEPC:LNGの新設・更新に加え、水素・アンモニア・SAF・CCSといった脱炭素プラントが次の主戦場。プラントエンジ各社の中期計画の中心テーマです。
  • ⑤地政学リスクの常態化:中東情勢の緊迫化を各社がリスク要因として明示。海外案件を持つ企業ほど、為替・サプライチェーン・工期遅延のリスク管理が経営課題になっています。

6. 学科別|どの業界・職種が狙い目か

学科・専攻主な入り口コメント
建築ゼネコン(施工管理・設計)/設計事務所/組織設計設計志望なら竹中工務店・日建設計系、施工志望ならスーパーゼネコン全社が対象。一級建築士がキャリアの通行証
土木・社会基盤ゼネコン(土木施工)/官公庁/鉄道・高速道路鹿島・大成の土木は高採算の稼ぎ頭(鹿島は土木の完工総利益率23.3%計画)。洋上風力・トンネル・地下調節池など大型案件が続く
機械プラントエンジ/サブコン/設備設計回転機・配管・熱交換器などの機器設計、施工計画。高砂熱学の空調・熱源設計も機械系の主戦場
電気・電子プラントエンジ(計装・電気)/サブコン/電気設備プラントの計装制御、工場・データセンターの受変電。人材が慢性的に不足しており需要は極めて強い
化学・応用化学・化学工学プラントエンジ(プロセス設計)プロセスエンジニアはEPCの中核。物質収支・熱収支の設計はまさに化学工学の応用
情報・数理建設DX/BIM・CIM/デジタル部門施工の自動化、3Dモデル活用、プロジェクト管理システム。各社がデジタル人材を通年採用
環境・資源ゼネコンの環境事業/EPCの脱炭素部門ZEB、CCS、水素・アンモニア。研究開発職の枠もあり、修士・博士の採用が比較的多い領域

7. 主な職種と仕事内容

職種主な業界仕事内容
施工管理ゼネコン/サブコンQCDSE(品質・原価・工程・安全・環境)の管理。現場常駐が基本で、若手から数十億円規模の工事に関わる
設計ゼネコン/設計事務所意匠・構造・設備の設計。設計施工案件では施工部門と近い距離で進められるのがゼネコン設計部の特徴
プロセスエンジニアプラントエンジプラント全体の設計思想を決める中核職。反応・分離・熱収支を検討し、機器仕様に落とし込む
プロジェクトマネジメントプラントエンジ数百億円規模の案件のコスト・工程・要員・リスクを統括。30代で任される例もある
調達(プロキュアメント)プラントエンジ機器・資材の世界調達と物流。技術理解と交渉力の両方が問われる
研究開発・技術開発ゼネコン技術研究所/EPC耐震・免震、材料、環境技術、自動化施工など。修士・博士の受け皿になりやすい

職種ごとの詳細は理系の技術職 職種研究もあわせてご覧ください。

8. 企業選びの3軸

軸1:国内か、海外か

ゼネコンでも海外案件はありますが、キャリアの主戦場は国内です。一方プラントエンジは海外現場駐在が前提のキャリアになります。「英語を使って働きたい」が本気なら日揮・千代田・東洋エンジ、「日本の街を形にしたい」ならゼネコン。ここは早い段階で決めておくと志望動機がぶれません。

軸2:転勤・勤務地の現実

ゼネコンの施工管理は全国の現場を数年単位で移動します。清水建設のように勤務地を限定する「エリア職」を設ける会社もあるため、募集区分の違いは必ず確認しましょう。プラントエンジは横浜みなとみらい(日揮・千代田)や千葉・習志野(東洋エンジ)に本社機能が集中しており、国内では拠点が限られる点が特徴です。

軸3:働き方の実績値を見る

求人票の「年間休日120日」「残業上限45時間」は上限値であって実績ではありません。統合報告書やサステナビリティデータで公表されている月平均残業時間・有休取得率の実績値と、4週8閉所の達成率を見るのが確実です。同じ会社でも本社勤務と現場常駐で実態が異なるため、OB・OG訪問で「配属想定での実態」を聞くのが最短ルートです。

9. 選考対策|この業界特有の3つの論点

面接でよく問われること

  • 「なぜゼネコンではなくプラントエンジなのか(逆も同様)」:業界構造を理解しているかを見られます。請負構造・案件規模・海外比率の違いで説明できると強い。
  • 「現場に出ることをどう捉えているか」:施工管理・現場駐在は避けられません。研究室での泥臭い実験や、チームでの調整経験を具体的に語りましょう。
  • 「安全と品質に対する考え方」:建設・プラントは人命に直結する業界です。研究での安全管理や、失敗から手順を作り直した経験は好材料になります。

研究内容の伝え方はES・研究概要書の書き方、自己分析の進め方は理系のための自己分析を参考にしてください。インターンから逆算したい方は2028年卒向けインターンガイドもどうぞ。

10. よくある質問(FAQ)

建設業界は「きつい」というイメージがありますが、実際はどうですか?

2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用され、原則月45時間・年360時間(特別条項でも年720時間以内)が法的な上限になりました。スーパーゼネコン各社の月平均残業は全社員平均で22〜35時間程度まで下がっています。ただしこれは全社員平均であり、現場常駐の施工管理職はこれより長くなる傾向があります。配属想定での実態確認をおすすめします。

プラントエンジニアリングは業績が不安定と聞きますが、就職先として大丈夫ですか?

単年の損益は大型案件の進捗と採算に大きく左右されます。実際、2026年3月期は千代田化工建設が過去最高益、東洋エンジニアリングが営業損失と正反対の結果でした。一方で、赤字期でも受注は継続しており、雇用が急激に不安定になる業界ではありません。志望する際は受注残高と受注分野の広がりを確認しておくと、業績の振れ幅を自分なりに評価できます。

サブコン(設備工事会社)はゼネコンより格下ですか?

収益性で見るとむしろ逆転している例があります。高砂熱学工業の2026年3月期の営業利益率11.3%は、スーパーゼネコン最高の大成建設(9.0%)を上回ります。半導体・データセンター向けのクリーンルームや冷却設備は高い専門技術が要求される領域で、機械・電気系学生にとっては専門性を活かしやすい選択肢です。

学部卒と修士卒で入りやすさは変わりますか?

施工管理職は学部卒でも十分に採用されます。一方、研究開発職やプロセス設計などは修士以上が中心です。初任給も差がつき、2026年入社では大卒30万円・院卒32万円前後という企業が増えています。詳しくは大学院進学と学部卒の比較記事をご覧ください。

建設・プラント以外の理系人気業界とも比べたいのですが。

業界研究の記事もあわせて読むと、業界ごとの利益率・働き方の違いが立体的に見えてきます。

11. まとめ

建設・プラントエンジニアリング業界は、2026年に入って「採算重視への転換」と「エネルギー転換・先端産業投資」という2つの追い風を受けています。数字の上では過去最高益が並びますが、それは同時にここ数年が業績の山である可能性も示しています。

大切なのは、単年の売上や年収ランキングではなく、①国内か海外か、②どの構造物・プラントに関わりたいか、③働き方の実績値が自分の許容範囲か——この3点で自分の軸を言語化することです。比較表を出発点に、気になった企業のIR資料と統合報告書を1社ずつ読み込んでみてください。それ自体が、そのまま志望動機の材料になります。

参考・出典一覧

各社の売上高・利益・平均年収は、以下の一次情報(決算短信・有価証券報告書)で確認できます。リンクは各社IRの一覧ページで、そこから最新の2026年3月期(竹中は2025年12月期)資料をご覧いただけます。

※本記事の数値は2026年7月時点で公開されている各社の決算短信・有価証券報告書・統合報告書等をもとに作成しています。労働環境に関する「参考値」表記のデータは開示基準・集計対象が各社で異なるため、応募時には必ず各社の最新の公式情報をご確認ください。

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この記事を書いた人

大学において理工系学生の就職・キャリア支援業務に携わった経験をもとに、企業研究、業界研究、エントリーシート、自己分析など、理工系学生の就職活動に役立つ情報を発信しています。記事作成にあたっては、企業の公式サイト、有価証券報告書、統合報告書、官公庁資料などの一次情報を優先して確認しています。

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